知財教育分科会
<オンライン開催>
第68回知財教育研究会(2023年9月24日開催)のお知らせ
知財教育研究会は、2007年2月のキックオフミーティング以来、各回、日本列島を縦断して現地開催し、各地域の知財教育の発展に尽力してきました。2020年3月の第50回知財教育研究会からは、コロナ禍によりオンライン開催となりましたが、実施拠点(座長)としては、前々回は北海道、前回は東京都、今回は福岡県と、途切れることなく全国巡回開催を堅持しおります。
知財教育に興味・関心をお持ちの方であれば、どなたでもご発表・ご参加を歓迎します。
【日時】 2023年9月24日(日)9時-12時(予定) |
【場所】 オンライン開催 (実施拠点:北九州市立大学) |
【共通テーマ】 「知財教育」と「知財創造教育」/一般 |
【内容】 知財教育に関する研究・実践報告 「感染症と知的財産権」 松岡 一路(国際医療福祉大学医療福祉学部) 新型コロナウィルス(COVID-19)感染症拡大を受けて、2020年以降各国でワクチンなどの医薬品の開発が進んでいる。本来このような医薬品の発明に対しては特許権が認められる。しかし今回は感染が世界の広範囲に急速に拡大したため、大掛かりな感染防止対策が採られ、国際保健機関(WHO)は2020年の年次総会において、公衆衛生に関する知的財産権保護を緩和し、COVIT-19の医薬品については特許適用除外求めたのである。 抗コロナ薬については、2021年10月になって一部の製薬会社がこの要請に応じ、医薬品の低所得国向けの価格が大幅に低下することとなった。しかし予防のためのワクチンについては医薬品特許適用除外が全く進まなかった。結局、ワクチンについてはGAVIアライアンスという国際機関が2020年6月に立ち上げたCOVAXによって低所得国向けに供給された。本研究は我々が直面する公衆衛生という課題に、知的財産制度をどのように調整して適用すべきか考えるものである。 「『知財創造教育』を小学校現場に普及・浸透させるためにⅫ ~努力と工夫を伝える・理解する~」 栁瀬 啓史(高知市立介良小学校) 小学校段階における「知財創造教育」は、その領域や分野がまだ確定されておらず、模索の状態である。しかしそれは、取り扱われる内容・方法・教材等が、まだ無限の可能性を有している段階であることも意味する。発表者はこれまでに、児童・生徒一人ひとりが「創造的価値ある存在」であるという視点から授業を重ね、本教育普及・浸透の課題を少しずつ検証してきた。今回は、身の周りの道具に対して重ね続けてきた名も無き多くの人たちの「努力や工夫」を取り上げる。厳しい生活に負けない強い精神(人権教育)により、私たちの生活が“知財創造”に包まれていることを実感することをねらいとしている。新しい視点から「知財創造教育」の普及・浸透のために必要な要素について考察していきたい。 「日本の競争力回復の鍵:知財創造教育の必要性と普及戦略」 貝原 巳樹雄(一関工業高等専門学校) 1989年~1992年、日本はIMD「世界競争力年鑑」で世界1位を維持していたが、2023年には63ヵ国中35位に後退。この低下は、特に知的財産の活用の遅れに起因すると考えられる。例として、日本の特許出願数は年々減少しており、特にデジタル技術やAI領域での後れが顕著である。一方、欧米の主要企業では資産の8割以上が無形資産によって形成されており、これは知的財産の活用が現代の競争力において非常に重要であることを示唆している。日本では、知財創造教育の必要性が広く理解されていない。これを改善するための策として以下を提案する。 対象層の明確化:知財教育を高校生、高専生、大学生に重点的に行う。これらの世代は経済を牽引する未来の主力となる。 教育内容の具体化:企業活動におけるトラブル事例を基に、知的財産トラブルの予防法を教授する。パテントコンテストの導入や実際の技術開発の場を提供し、学生の創造性や実践能力を養成する(発明促進)。 NPO設立:経験者や専門家が中心となり、最新の知財情報や技術を提供するセミナーやワークショップの開催、教材の作成・配布などの活動を行う。資金調達は、企業や自治体の協力を仰ぐことで行う。 「高等学校『情報Ⅰ』における著作権教育の実践的アプローチ手法」 御家 雄一(東京都立南多摩中等教育学校) 高等学校必履修科目「情報Ⅰ」における知的財産権教育の重要性は、デジタル時代において不可欠となっている。本発表では、実践的な教育としての具体例を提供する。まず、「Pictogramming」というWebサービスを活用し、生徒は独自のピクトグラムをデザインする。この完成したピクトグラムはデザイン的観点からの相互評価を行う。次に、生徒は自らのイラストを制作し、その瞬間に著作権が発生することを体感的に学習する。更に、教員が制作したイラストのキャラクターグッズを提示することで、著作権侵害時の不利益を生徒に具体的に示唆する。活版印刷時代における著作権の成立を取り上げ、現代におけるその重要性を再認識させる。これらの内容を通じて、知的財産権教育の新しい方法論の提案と実用性を考える。 「知っておいて損はない知財の話題」 石橋 一郎(北九州市立大学) 知財を巡る最近のトピックスをお話しします。①仮想空間内でのアバターが身に着けるグッズの登録商標、②AIが発明したと米国の博士が主張している特許出願の日本を含む世界各国での審査状況、③コロナワクチンの特許係争(モデルナ対ファイザー)、などなどです。 |
【発表者・参加者募集】 発表参加をご希望の方は、2023年8月25日(金)までに、 一般参加をご希望の方は、2023年9月22日(金)までに、 下記の入力フォームに記入して送信してください。受付通知が自動送信されます。しばらくたっても届かない場合は、ご自身のメールアドレスが誤入力の場合が考えられます。その際は再度お申し込みください。 ⇒ (入力フォームへ) <第68回知財教育研究会申込内容> 1.名前 2.所属 3.役職 4.電話番号 5.メールアドレス(必要に応じて第2メールアドレスも) 6.発表演題(発表申込の場合) 7.要旨(発表申込の場合、200~400字程度) 8.その他連絡事項等 |
【参加資格】 どなたでもご参加いただけます。 日本知財学会への入会・知財教育分科会への登録を推奨します。 |
【参加費】 無料 、事前参加申込制 |
【発表者へのお願い】 発表時間は概ね20-30分をめどに、発表数に応じ目安の時間をお知らせします。配布物は事前に分科会事務局までPDFファイルでお送りください。参加者に配布します。PPTスライドは発表者のパソコンで操作していただきます。 |
【その他】 ① 発表者・参加者は、各自、インターネットに接続できる情報機器をご用意ください。 ご希望に応じて、事前にテスト実施の機会を設定することも可能です。 ② 著作権等に関わる運用規定は別途定めます。 ③ 発表・参加申込にかかわる個人情報は知財教育分科会活動にのみ使用します。 |
【これまでの知財教育分科会の活動】 https://www.ipaj.org/bunkakai/chizai_kyoiku/index.html |
【お問合せ】 お問い合わせは、知財教育分科会事務局までお願いします。 E-mail: ipaj.edu(アットマーク)gmail.com (知財教育分科会事務局) ※(アットマーク)を@に変換して送信してください。 |