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日本知財学会 第2回産業功労賞
日本知財学会では、知的財産分野における活動で顕著な業績があった法人を表彰するために、2004年に産業功労賞を創設しました。国内法人会員を対象に理事会で審査を行い、毎年表彰を行っています。
理事会での厳正な審査の結果、本年度の産業功労賞はKDDI株式会社が選出され、2023年6月26日の総会で表彰式を行いました。
受賞法人 | |
KDDI 株式会社 |
受賞理由 | |
KDDI株式会社は、発足以来、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献することを企業理念として掲げています。KDDIの事業は極めて公共性が高く、お客さまの生活そのものに直結しています。「命を、暮らしを、心をつなぐ」を使命に、社会的に重要な役割を果たすとともに、お客さまの期待を超える感動をお届けするための様々な取り組みを進めています。 事業戦略であるサテライトグロース戦略では、鉄道、商業地域といった生活動線に徹底的にこだわった5Gエリアの構築と体感品質の向上を推し進め、通信事業の進化と、通信を核とした注力領域(DX、金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)、地域共創(CATV等))の5領域の拡大を推進するとともに、知的財産については戦略的取得とその効果的活用、スタートアップ等に対する知財活動支援等に尽力してきました。 まず、事業戦略と連携した知財戦略を重視し、競争領域として通信・金融・IoT、ドローン等のサービスやプラットフォーム分野では差別化を図る一方で、5Gなどのネットワーク分野では協調領域と位置づけて標準化を図るという「オープン&クローズ戦略」を推進しています。 また、スタートアップのビジネスアイディアやテクノロジーと多様な大企業のアセットとを連携させるための事業共創プラットフォーム「KDDI∞Labo(ムゲンラボ)」、スタートアップの成長を第一にアセット提供や事業連携を行うコーポレートベンチャーキャピタル「KDDI Open Innovation Fund」、新たなビジネスソリューションを創出するIoT、5G時代のビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」等において、オープンイノベーションの取り組みを積極的に進めています。 加えて、2021年には、東京大学工学部に開設された「アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座」の設立に参画し、起業家創出の加速にも尽力してきました。 さらに、こうしたオープンイノベーションの取り組みを拡大・推進するため、KDDI知財部門がスタートアップに対して発明発掘・特許侵害調査・特許出願・知財関連規程類の整備等の知的財産活動を支援しています。この支援によって生じた知的財産はスタートアップに100%帰属させることにより、共創パートナーであるスタートアップの事業成長に貢献しています。 このような取り組みが評価され、2018年にはオープンイノベーション推進企業としては初めて「知財功労賞」(経済産業大臣表彰)を受賞しています。 また、これらに加え、社外の知的財産活動として、こうした知的財産の活動を知的財産権活用事例(特許庁)等で積極的に発信することを通じて、我が国産業界の知的財産活動の充実に貢献してきました。 以上のように、知的財産を重視した経営とスタートアップ支援活動、日本の産業界の発展に向けた尽力は、日本知財学会産業功労賞に相応しい業績であると高く評価されました。 |