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日本知財学会 第17回産業功労賞

 日本知財学会では、知的財産分野における活動で顕著な業績があった法人を表彰するために、2004年に産業功労賞を創設しました。国内法人会員を対象に理事会で審査を行い、毎年表彰を行っています。
 理事会での厳正な審査の結果、本年度の産業功労賞はキヤノン株式会社が選出され、2020年7月28日の総会で表彰式を行いました。

受賞法人
キヤノン株式会社

受賞理由
 キヤノン株式会社は、創業当時から積極的な研究開発活動を続け、独自技術を搭載した製品によって新市場や新顧客を開拓する研究開発型企業として発展してきました。こうした背景から、キヤノンには「研究開発活動の成果は製品と知的財産である」という考えが根付いています。そして、知的財産活動の目的を事業展開の支援と明確に位置づけてきました。

 キヤノンは知的財産権を重視しており、1960年代の複写機分野への参入等、世界の競合相手の事業拡大に知財戦略が貢献してきました。その後も、カメラのオートフォーカス技術など様々な独自技術に関連する特許権を取得し、グローバルな事業展開に成功してきました。日本国内で多大な功績を挙げた発明などを表彰する「全国発明表彰」(発明協会主催)において、2度の恩賜発明賞を含む数々の賞を獲得しています。

 現在も、次世代に必要な基幹技術に関する基本特許からIoT社会に必要不可欠な技術に関わる標準必須特許まで、さまざまな研究開発成果を知的財産権として権利化し、活用し、社会に役立つ技術の具現化に貢献しています。2019年の日本における特許出願件数と取得件数は共に1位であり、米国における特許登録件数も常に3位以内をキープしています。

 知的財産の業界をリードする活動も積極的に行っています。2014年には、パテント・トロール訴訟の脅威を抑制するため、Google Inc.、SAP AG等5社と連携し、LOTネットワーク(License on Transfer Network)を設立しました。会員企業数は年々増加しており、現在600社を超えています。また、今年2020年には、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を目的とした開発・製造などの行為に対して、保有する知的財産権を行使しないことを宣言する「COVID対策支援宣言書」に発起人として参画することで、感染症の早期終結を支援しています。

 さらに、知的財産政策について、御手洗冨士夫氏(代表取締役会長兼社長 CEO)は、知的財産戦略本部の初代の本部員を務めるとともに、長澤健一氏(知的財産法務本部長)は、知的財産戦略本部の検証・評価・企画委員会や産業構造審議会知的財産分科会の小委員会の委員を務め、知的財産を活用してグローバルに事業展開している企業の立場から種々の提言を行い、知的財産の行政の発展に貢献してきました。また、内閣府知的財産戦略推進事務局、外務省の知的財産室等様々な公的機関や団体に人材を派遣し、行政執行等に関しても産業界の観点からのインプットに貢献してきました。

 このように、知的財産を重視した経営とその成果、日本の産業界の発展に向けた尽力は、日本知財学会産業功労賞に相応しい業績であると高く評価されました。

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