学会誌・資料 Journal

日本知財学会誌 第16巻第3号掲載

通信の秘密とサイトブロッキング(序説)
Relation between Secrecy of Communication and Site Blocking

大日方 信春
Nobuharu Obinata

日本知財学会誌 Vol.16 No.3 p.23-31 (2020-3-20)
Journal of Intellectual Property Association of Japan Vol.16 No.3 p.23-31 (2020-3-20)

<要旨>
「海賊版サイト」対策としてブロッキングの是非が議論されている.ただこの議論の前提にある憲法上の「通信の秘密」(21条2項後段)の意義は,これまで必ずしも明らかにされてはいない.本論文では同法原則は,憲法21条1項が保障する表現の自由に内包される「通信の自由」のためのものであると述べている.そこから秘密の対象とされる「通信内容」と「通信データ」では保障程度が違うこと,通信の秘密は通信の自由の前提と なる通信制度が適切に設定・運営されるためのものであることを導いている.このような通信の秘密の理解をもとに電気通信事業法の関係条文の検討を経て,本論文の後半では「海賊版サイト」ブロッキングの憲法適合性について検討している.そこでは,「海賊版の自由」は観念できないこと,ISPによる機械的なアクセス検知は「通信内容」の推知にはあたらないこと等を理由に,ブロッキングが必ずしも憲 法に反するものではないと結論している.
<Summary>
This essay’s aims are two. For one thing it shows clearly the meaning of “secrecy of communication”. This constitutional principle has not showed sufficiently. The other aim is examining the constitutionality of site blocking. In conclusion, this essay shows that site blocking is not always contrary to the Constitutional Law.

<キーワード>
通信の秘密、サイトブロッキング、通信の自由
<Keywords>
Secrecy of Communication, Site Blocking, Freedom of Communication