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TOP分科会知財ビジネス分科会2003.08.30

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知的財産とMOT
日本知財学会 知財ビジネス分科会では、下記要領で第1回研究会を開催いたします。今回のテーマは、「知的財産とMOT」です。参加ご希望の方は、下記申し込み先までお申し込みをお願いいたします。

■日 時:2003年8月30日(土) 14:00〜17:00
■共 催:知財新領域研究分科会
■場 所:東京都目黒区駒場 4-6-1 東京大学先端科学技術研究センター13号館、3階 講堂
小田急線 / 営団地下鉄千代田線 東北沢駅より徒歩7分 代々木上原駅より徒歩12分
井の頭線 / 駒場東大前駅より徒歩10分 池の上駅より徒歩10分
(詳細は、 <こちら>をご参照下さい)
テーマ 「知的財産とMOT」
内容 14:00-14:15 知財ビジネス分科会と研究会のご紹介
14:15-15:00 ショートプレゼンテーション
(各15分)
ビジネスIPR 鈴木 俊之 様
ビジネスIPR 片岡 忠彦 様
日立製作所 仲 勇 様

15:00-15:30 ティーブレイク
15:30-16:30 パネルディスカッション
(上記の御三人及びディスカッションメンバ)

16:30-17:00 質疑応答、名刺交換など
17:00 閉会

■定 員 :60名(予定)
■参加費用(含 軽食):日本知財学会会員 1,000円、非会員 3,000円、学生 1,000円
当日、入会手続きをして頂ければ、会員参加費用(1,000円)にて参加することができます。個人年会費は10,000円(学生 5,000円)となっております。この機会に是非ご検討ください
■参加申込:軽食や資料の準備等がありますので、8月25日(月)までに下記添付の参加申込書に各項目をご記入の上、下記宛てにメールにてお申し込み下さい。

参加申込
下記アドレスまで必要事項記載の上送付ください。

【申し込みメール内記載内容】

1. お名前
2. 所属(組織、会社名等)
3. 電話番号
4. メールアドレス

【お申し込み(お問い合わせ)先】
y-miyoshi@cj.jp.nec.com (担当/三好)



知財ビジネス分科会 第1回研究会「知的財産とMOT」
2003年8月30日(土)に知財ビジネス分科会第1回研究会が東京大学先端科学技術研究センターにて実施されました。今回のテーマは「知的財産とMOT」で、ショートプレゼンテーションとして「変化の激しいハイテク分野における知識選択のリスクとその低減策」「経営からみた知財戦略と逆に知財戦略からみた経営」についての提案を行った後、これをベースに実際にMOTコースを受講されている立場からの意見、企業知財部で知財戦略を担当されている立場からの意見、さらには我が国におけるMOT教育のありかたの是非に至るまで、さまざまな角度から広範囲にわたり白熱した議論が展開されました。次回研究会は10月11日に、東京大学先端科学技術研究センターにて、「知的財産の価値評価」というテーマで行う予定です。

ショートプレゼンテーション
「知識選択におけるリスク管理」 仲 勇さん(日立製作所)
 近年ますます加速する知識の寿命短縮化に伴い、知識の選択(たとえば技術者がどの技術を習得するか)にまつわるリスクが高まっています。具体的には知識の移転失敗のリスクや移転した知識が所望の収益を生まないリスクなどです。

本講演では、これらのリスク低減策として、選択者個人にのみ知識選択のリスクを負わせぬように、1) 標準化や情報共有による知識の可視化 2) 人材供給への金融工学的考え方の適用(オプションなど)による知識需給のマッチング 3) ワークシェアリングなどの活用による知識移転時間の確保 4) E-learning等の活用による知識移転システムの効率化についてご説明頂きました。

「知的財産とMOT」 鈴木 俊之さん(ビジネスIPR戦略知財分科会代表)
 知財とMOTの接点として1) イノベーション論と知的財産、2) 経営戦略論と知財戦略、3) 知的資産マネジメント論 4) R&Dマネジメント論の4つの視点を挙げられ、これらの視点から知的財産戦略の体系化に向けた試みの一端をご紹介頂きました。
具体的事例として、
■ イノベーション論からの知見として、持続的イノベータには明確な技術軌跡が存在し、これの有効活用が持続的イノベータたらしめたのではないか?
■ 経営戦略論のツールとして、PPM(Product Portfolio Management)の知財戦略への適用
■ R&Dマネジメントの知見から、Stage-Gate Processの考え方を紹介、そこに知財評価項目を入れることで権利化活動の効率化を図れるのではないか?

といった鈴木さんによる仮説が紹介されました。今後も継続的に仮説検証を行い、本研究会でもご紹介いただけるものと期待しています。

「知的財産とMOT〜知財はもっと(MOT)面白くなる!?〜」
片岡 忠彦さん(ビジネスIPR戦略知財分科会)
 「MOTとは経営・技術・法律の重なる領域というよりは、技術・法律等の専門的領域に対して経営の視点を俯瞰的に与えるもの」という立場から、知財業務へのMOT的視点の導入や、そこからR&D戦略と知財戦略の関係の研究への展開、その具体例として
■ PPMへの知財的視点の導入(売上高に加え特許出願件数をプロット)
■ イノベーションダイナミクスに対応した知財(出願)戦略
■ 製品アーキテクチャの分類(統合化/モジュラー化、オープン/クローズ)に応じた知財戦略
■ 知財業務のプロセスイノベーション

などについて鈴木さん同様に片岡さんの仮説を御紹介頂きました。こちらも今後の研究成果を本研究会でご紹介いただけると期待しています。

パネルディスカッション及び質疑応答(概要)
パネラー : ショートプレゼンテーションの講演者(上記3名)
市原 健介さん(経済産業省)、宮津 晃さん(日立製作所)
モデレータ:三好 陽介(知財ビジネス分科会担当座長・ビジネスIPR戦略知財分科会)

市原氏
経済産業省では従前よりMOTを推進してきたが、最近よく話題になるようになった感がある。MOTは技術を核にしたビジネスをマネジメントする人材の育成であり、現在は我が国産業構造上重要な位置づけを占める製造業を対象にした教材開発を中心に支援している。ただし、実際の教育モデル作成はまだ端緒についてばかりであり、海外のものを日本に持ち込むだけでもだめで、社会に根付くまでには息の長い取り組みが必要である。MOTは資格を与えてくれるものではなく、自分のやりたいことを実現するスキルを効率的に身に付けるためのツールである。

宮津氏
日本のMOTは学費で年間400万。生活費込みで1000万。それでMBAなみの効果が得られるのか?基本的にはMBAホルダーの強みとは、1)人脈が広がる、2)意思決定が迅速になる、の2つと思う。これらは多くのケーススタディを用いたトレーニングにより身に付くもの。一方MOTは、プログラムの内容をきく限り、知識面に特化しすぎていると思われる。

MOTと知財について、製品(例えばキヤノンのプリンタ)ごとの知財戦略は行うことができるが、総合電気メーカーとしての全事業という事になると、日々試行錯誤しているが、答えはでていない。MOTで各製品や技術の最適化をおこなうことができるなら価値があるのではないか。

パネルディスカッション
1. MOTの意義とは?役に立つのか?
(鈴)現状では理論と実務との距離を感じることもあるが、現在教材開発を行っていると聞いているのでそれに期待。
(片)MOTコースに多大な期待はしておらず、それなりのスキルがつけばよい。
(仲)一般論としてMOTではなく企業としての関心事項を解決できればよいのではないか。
共通語作りや、関心事項を共通認識する場になればよい。

2. 日本がMOTの優位性を確立していくうえでの課題・着目点は何か
(仲)実践の場でのリスク軽減の仕組み
(鈴)単純な「選択と集中」ではいけないとの認識はある、例えば資料で説明した「技術軌道」のような日本的MOTの方法論を検討していきたい。
(片)日本的によい文化も含めてマネジメントするべき(例えばキヤノンのデジタルカメラ)
(市)日本には製造業で優れた技術が多い自動車エンジン トヨタ・ホンダなど3社が優れているNTT-DoCoMoは第三世代では実用化する特許をおさえているこれらの優れた技術の活用が重要
(宮)米でのMOT台頭の経緯80年代の米は財務面に集中しすぎたので、その反省として90年代技術面もとりいれた。00年代には日本はもはや相手ではなくなったので、バイオとITにさらに力をいれている。
MBAは財務的観点が多くリスク要素を洗い出すが、それらを割引率に繰り込むと、投資をしなくともよいという結論が出やすく、これではほとんどの企業は投資ができない。MOTでは単にリスクを財務的視点で捉えるだけではなく、それとは違う方法でのリスク分析手法を確立すればよい。

3. TLOについて
経済産業省、市原氏より取り組みについての説明

質議応答等
1.知の移転の課題、諸外国の状況について
(仲)ナレッジマネジメントシステムという目標が設定されることが多いが、実際にうまくいくケースは少ない。その理由は、ノウハウがデータベースとしてたまっても必要な事柄を適切に検索することが難しいから。すなわち、業務とリンクできるようにするかが課題となる。

2.知識を登録するというのは人事的なインセンティブがないと厳しいのではないか
(仲)いくつかの取り組みがある。
知識をまとめる部隊(生産管理、知財部など)が知識登録をおこなう。実務者からの知識の吸い上げはヒアリングなど。知識登録という作業に予算を与える

3. コア技術以外の技術をどのようにマネジメントするべきか
(鈴)現実的な解は明確でないが、初期にR&Dマネジメントとしての見極めが重要。選択と集中という観点からは売却となるだろうが解は単純ではない。残すのも一策。
(片)教科書的にはライセンスや売却などになるが、個人的に明確になっているわけではない。

4. 売却値段を決めることが重要であるが、その点についてはどうお考えか?
(鈴)知財とMOTのなかで重要な問題であるが、今回は時間の都合で割愛した。価値については多くの議論があるので単純ではない。
(片)MOTのプログラムとしては現在ないので、各自が取り組むべき課題である。
(三)次回の研究会のテーマを「知的財産の価値評価」とするので、みなさんふるって御参加下さい。

5. MOTとMBAとの違いは何か?とくにMOTの優位点は?
(鈴)プログラム的には「イノベーション論と知的財産」「R&Dマネジメント」あたりが特徴。
「技術」をベースとしているので知財部員がビジネススクールに行くのなら、MOTだろう。
(片)MOTクラスでは知財の話がよくでてくるのでなじみやすさという点はMOT。
6. (フロアからの提言)(青山学院大学名誉教授 石川氏)
IMDで日本の大学は49位/49位。米では40年前に各大学にベンチャー制度をトップダウン。単なるMOT教育で解決できる問題ではない。
米ではMBAを基本に、財務に近いMBA、テクノロジーMBAなど広がりをみせているがそのようになるべき。
TLOや大学が一体となっていくべき

以上 (文責:三好/江本)

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